グルテンとグルテン不耐症の基本知識

グルテンとは何か - その特性と食品における役割

「グルテン」は、小麦、大麦、ライ麦といった穀物に含まれるたんぱく質の一種です。特に小麦粉に水を加えてこねることで、グルテニンとグリアジンという2種類のたんぱく質が結合して、粘り気と弾力性のある網目構造を形成します。

このグルテンの特性のおかげで、パンはふっくらと膨らみ、うどんやパスタにはコシが生まれ、ケーキやクッキーは形を保つことができます。つまり、グルテンは多くの食品の美味しさや食感をもたらすために、非常に重要な役割を果たしているのです。グルテンのこの働きによって、小麦粉を原料とした主食は、広い地域で長い間親しまれてきたといってもいいかもしれませんね。

グルテンがもたらす「セリアック病」や「グルテン不耐症」とは

これほどに食に欠かせないグルテンがなぜ、体調不良の原因として注目されるようになったのでしょうか。病気や不調の原因としてグルテンが関与しているものがあります。セリアック病やグルテン過敏症と呼ばれる症状です。

セリアック病：グルテンに対して免疫系が異常反応を起こし、自身の小腸を攻撃してしまう自己免疫疾患です。小腸の粘膜が傷つくことで栄養の吸収が阻害され、腹痛、下痢、体重減少、貧血、疲労感など、さまざまな症状を引き起こします。セリアック病の唯一の治療法は、生涯にわたってグルテンを完全に除去した「グルテンフリー」の食事を続けることとされています。遺伝的要因も関与しており、診断には専門的な検査が必要です。欧米に比べて日本ではまれな疾患ともされています。

グルテン過敏症（いわゆるグルテン不耐症）：セリアック病や小麦アレルギーではないにも関わらず、グルテンを含む食品を摂取すると、腹痛、おなかの張り、下痢、便秘といった消化器系の症状や、頭痛、倦怠感、集中力の低下、関節痛、皮膚症状などの不調を感じる状態を指します。原因やメカニズムについてはまだ十分に解明されていない部分もあります。

重要なのは、グルテンフリーの食事の有効性は、これらの疾患や症状を持つ方に限られるという点です。こうした状態の診断は自己判断で行うべきではなく、必ず医師や専門家による適切な診断を受けるようにしましょう。安易な自己判断でグルテン除去を始めると、必要な栄養素が不足したり、本来の原因を見逃したりする可能性もあるため、注意が必要です。

個人差と食の選択肢の重要性

人それぞれの体質と食事の関係

グルテンに対する体の反応が人によって異なるように、私たちの体は、あらゆる食べ物に対して個別の反応を示すといわれています。消化酵素の量、腸内環境の状態、免疫系の働き、遺伝的な背景など、そのときどきの体調や外的環境など、数多くの要因が絡み合い、一人一人異なる「食との相性」が形作られています。

ある人にとってはエネルギー源となり、食の楽しみを与えてくれる小麦製品が、別の人にとっては体調不良の原因になる場合もあります。これはグルテンに限った話ではなく、乳製品、卵、甲殻類、そば、ナッツ類など、他の多くの食品にも当てはまります。

だからこそ、「あの人が良いと言っていたから」「これが体に良いらしい」といった情報に振り回されるのではなく、自分自身の体の声に耳を傾け、何を食べたときに調子が良く、何を食べると不調を感じるのか、という個人的な経験を重視することが、健やかな食生活を送るための一つの方法といえるでしょう。

多様な食のニーズに応える現代の食品選択

幸いなことに、現代の私たちは、食に関して実に幅広い選択肢を持つことができる時代に生きています。アレルギー対応食品、特定の栄養素を強化した食品、宗教上の理由や個人の信条に基づく食品（ハラル、コーシャ、ビーガンなど）、そしてグルテンフリー食品も、そうした数多くの選択肢の一つです。

この食品選択肢の広がりは、アレルギーや不耐症を持つ人、特定の健康上の配慮が必要な人はもちろんのこと、それぞれの健康観やライフスタイル、価値観に基づいて食事を選びたい人にとって、大きな意味を持ちます。食に関する制約がある場合でも、「食べる楽しみ」を損なうことなく、自分らしく、健やかに生きていくことを可能にしてくれるのです。

グルテンフリー食品も、さまざまな理由でグルテンを避ける必要がある人や、避けたいと感じている人にとっては、食事を安心して楽しむために欠かせない食品だといえます。

「まめまめし」がお届けする、食の選択肢

選択肢を広げる食品としての大豆タルトの可能性

「まめまめし」は、小麦粉を使用しないグルテンフリーの大豆タルトをお届けしています。これは、「グルテンを使わない」ためではなく、小麦粉を使ったタルトに負けないくらいおいしいタルトを届けたい、という思いからです。それはグルテンフリーを求める皆さまの、食の選択肢を広げることにもつながります。

グルテンを摂取すると体調を崩してしまう方、あるいはご自身の判断でグルテンを控えている方はもちろん、どなたにも「美味しいものを食べる喜び」を感じていただきたいという思いを込めて、原材料や製法に工夫を凝らし、グルテンフリーでありながらも、満足感のある美味しさを追求しています。

「まめまめし」では、大豆粉という素材の良さを最大限に活かすための工夫はしていますが、あくまでも普段の食事として楽しんでいただける、日本人の食卓になじむような「おかず」「食事」を目指しています。そのため、具材には季節の野菜や厳選した食材を使用し、それぞれの素材の持ち味を活かした、バラエティ豊かなメニューをご用意しています。

体質や好みに合わせた「まめまめし」の楽しみ方

「まめまめし」の大豆タルトは、体質的にグルテンを避ける必要がある方はもちろん、そうでない方にも、安心してお召し上がりいただけます。

例えば、以下のようなシーンにおすすめです：

• グルテンを控えているけれど、たまには食べ応えのあるものが欲しいとき
• 小麦製品を食べないほうが、体調のよさを感じることがある
• 普段の食事に少し変化をつけたいとき
• 健康的な素材を使った、美味しいおやつや軽食を探しているとき

「まめまめし」のタルトは、朝食やランチ、軽い夕食など、日常の様々な場面でご活用いただけます。大豆を主原料としているため、良質なタンパク質や食物繊維も自然と摂取できるのも魅力です。

健康のためにバランスの取れた食生活を

グルテンは、特定の人にとっては避けるべきものですが、すべての人にとって「悪」ではありません。一部の人々にとっては健康上の理由から避ける必要がありますが、多くの人にとっては、パンやパスタなどの美味しさや食感を生み出す重要な成分であり、食事から摂取するタンパク質の一部でもあります。

大切なのは、「グルテン=悪」といった単純な考え方ではなく、個人の体質や状態に合わせた食選択をすること。そして何より、食事を楽しみながら、バランスの良い食生活を心がけることではないでしょうか。

「まめまめし」の大豆タルトは、そんな多様な食のニーズに応える選択肢の一つとして、皆さまの食卓に彩りを添えることができれば幸いです。正しい情報を得て、自分自身の体と相談しながら、数ある選択肢の中から自分にとって心地よく、最適な食生活を探すことで、健やかな生活を目指していきましょう。